今回は、片麻痺の方のベッド上での介助方法について紹介します。 ベッドへの移乗を介助し横になった際に「もう少し枕元の方へ移動したい」場合や、ベッドをギャッジアップし戻した際に「少しずつずり落ちてきてしまい元の位置に戻したい」といった場合があります。しかしそこから身体を上に引き上げるにはかなりの力が必要になり、介助者の腰を痛める原因になる場合があります。 そこで今回は、このような場合に介助者の負担を軽減できる介助方法をお話します。

 

移乗用シートまたは出来るだけ大きなビニー ル袋(ゴミ袋)を用意します。ビニール袋を使用する場合は、底の部分をはさみで切り落としておきましょう。今回はビニール袋を使用し行ってみたいと思います。


ベッドに寝ている状態から、横向きになるように寝返りを行ないます。自力での寝返りが難しい方は両膝を立てます。


膝の部分をおさえ、寝返ってもらいたい方向へ足を倒していきます。そこから手の部分を寝返る方向へ持っていき、横向きになるように介助します。


横に向いた状態から、シートまたはビニール袋を背中からお尻までくるように敷きます。この際に、シートの半分は織り込んで背中の中までいれてください。


今度は反対側に寝返ってもらい、シートまたはビニール袋を引き出し整えます。


介助者は非介助者の斜め上に立ちます。被介護者の頭の下から左手を入れて首を支えるようにしながら、左側の脇を掴みます。もう片方の 手は右側の脇を掴みます。


そこから足を動かせる力がある方は膝を立ててもらいます。声掛けをおこない、ベッドを蹴ってもらうと同時に介助者は被介助者を上方へ引き上げます。


その後、ビニールを抜いて姿勢を整えます。


 以上のような方法で、介助者の負担を軽減しながら上方への移動がおこなえます。

 

作業療法士  中沢宏彰

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