今年は雪が予想以上に降ったり、気温の差が 激しかったり、皆様お体の不調はございませんでしたか。やっと、暖かく過ごしやすい季節が やってまいりました。少し苦みのある山菜や甘 みのある春野菜など常にあるものとは違ったおいしい季節の食 材が食卓をにぎわせていることでしょう。
ところが、嚥下機能が低下した方、誤嚥性肺 炎にかかりやすい方はなんでもおいしく頂くということが困難 です。当院では年4 回嗜好調査を行いますが、 きざみ食の方にお話を伺うと「何を食べている か分からない」「いつも同じものを食べている」 とお答えいただくことが多い現状です。そこで、 どのような食材であれば食べやすいか、市販の 嚥下食用食材で味がおいしく、見た目もよいも のがあるか、不定期ではありますが多職種で試 食会を行い検討しています。
最近では、特殊な製法で飲み込みがよく、見 た目や色合いも良いものがたくさん発売される ようになりました。いくつかご紹介します。
すきやき風煮物
サバの味噌煮
こちらは、酵素処理している食品です。普通の お食事と同じ見た目ながらも普段はきざんでいる お食事の方もそのまま食べられるような軟らかさで す。
こちらは軟らかい 食感の溶けないカボチャゼリー。味もカボチャそのものです。カボチャやサツマイモ、ご飯等糖質の多い食品は粘りが強く、ペースト状にするとのどに張り付いて飲み込みにくくなります。カボチャゼ リーは粘りを軽減して作られています。
☆栄養補助食品
とろみに慣れない、うまく飲み込めないなど様々な理由で食欲が低下する方がいらっしゃいます。そんな方にはゼリータイプの栄養補助食品がお勧めです。
ゼラチンで固めてあるものは湯煎により形を変えることができます。複合的に栄養素が含まれているものを選ぶのがポイントです。
上左からカレーリゾット・かき卵 スープ、 下:ホキのクリームソース煮・焼売・トマトと豆腐のサラダ
いかがでしたでしょうか。工夫されているも のが業務用だけでなく、一般向けにも販売され るようになりました。ご参考になれば幸いです。 より詳しい説明をご希望の方は栄養指導を行 っておりますのでお気軽にお声かけください。
管理栄養士 細田佳江