〜健診部門からのお知らせ〜

CTの内臓脂肪測定


 

 私たちのからだについている脂肪(体脂肪)は、『皮下脂肪』と『内蔵脂肪』に分けられます。

 皮下脂肪とは、文字通り皮膚のすぐ下にある脂肪。内臓脂肪とは、内蔵の周りにつく脂肪のことで、外から見たり掴んだりはできませんが、私たちの健康に大きく関係しています。

 特定健診では、腹囲の測定が必須になっています。腹囲は、内臓脂肪に比例して増減することが知られているからです。そして、内臓脂肪が多いほどメタボリック・シンドロームの発症の可能性が高まることから、男性で腹囲85㎝以下、女性で90㎝以下にすることが望ましいとされています。

 ここで注目されるのは、女性においては、ボーダーラインが90㎝とされているということです。90㎝の腹囲といえばかなり大きい方ですが、これは女性の場合、肥満になっても皮下脂肪が先についてくるため内臓脂肪が蓄積しにくい傾向があるためです。ただし、男性においても腹囲が多くても内臓脂肪の少ない方もいますし、逆に腹囲がそれほど多くなくても内臓脂肪がつきやすい方もいるのです。したがって、腹囲だけでは内蔵脂肪ひいてはメタボリック・シンドロームを正確に把握することは難しいといえます。

 そこで、内臓脂肪を正確に測る方法としてCT を使用した内臓脂肪測定方法があります。おへその位置で1回断層撮影を行います。この位置での内臓脂肪面積がからだの内臓脂肪全体を反映していることが明らかになっているからです。

 下の断面でのデータを内臓脂肪計測パソコンソフトで正確に内臓脂肪量と皮下脂肪量を分離して解析を行い、赤の内臓脂肪面積が100㎠以上になるとメタボリック・シンドロームの発症の引き金になると言われています。

 内臓脂肪が過剰にたまると糖尿病・高血圧症・高脂血症などになりやすく、ひとつひとつの症状は軽くても、複数重なるとメタボリック・シンドロームとなり相乗的に動脈硬化が進んで心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気になる可能性が出てきます。

 内臓脂肪の測定方法には、他に体重計に内臓脂肪測定がついているものがありますが皮下脂肪、内臓脂肪をはかり、画像で見やすくわかりやすいCT で内臓脂肪を正確にチェックし管理することがメタリック・シンドロームの予防につながります。

 こちらの検査は、にしくぼ診療所にて健康診断のオプション(4,200 円)として行っております。

 

左は青の皮下脂肪が多く、赤の内臓脂肪が少ない皮下脂肪型肥満

右は赤の内臓脂肪が多く、青の皮下脂肪が少ない内臓脂肪型肥満

 

放射線技師 舩木 廣和

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