シリーズ

高次脳機能障害について(3)

 今回は脳の障害によっておこる注意障害についてです。症状や対応方法、注意点などについてお話ししていきたいと思います。


● 注意障害とは ●

 注意障害と聞いてどのようなことを考えるでしょうか? 集中力がない、すぐに気が散ってしまうなどといった症状を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。注意障害といってもその働きは多岐わたる為、様々な症状があらわれます。そこで注意機能の働きとその症状についてお話ししていきたいと思います。

  • 注意をその課題や作業に対して向け続ける働き、この働きが障害さると集中力が途切れ持続することが困難になります。

  • 一度にいくつもの情報を把握する働き、この働きが障害されると一度に把握できる情報量が少なくなり、簡単なことが手際よくできなくなってしまいます。その為、電話をしながらメモを取る、料理をしながら食器を洗うなど同時に複数のことを行うのが困難となります。

  • 一度にいくつもの情報を把握する働き、この働きが障害されると一度に把握できる情報量が少なくなり、簡単なことが手際よくできなくなってしまいます。その為、電話をしながらメモを取る、料理をしながら食器を洗うなど同時に複数のことを行うのが困難となります。

次に注意障害に対してどのように対応していけばよいのかお話ししていきます。

 対応の例

  • 集中できる静かな環境を作る。
  • 良い姿勢で作業を行う。 
  • 疲れやすい為、休息をしっかりと取るようにする。疲れたら深呼吸をすることも大切です。
  • 一度に多くのことを伝えず、短く伝える。
  • 一度にいくつもの課題や作業を行わない。 急がせてはいけない。
  • 間違えても責めない。

 ここまで簡単ではありますが注意障害についてお話しさせていただきました。御家族からみるとどうしてこんな簡単なことが出来ないのかと思う場合があります。しかし注意機能が低下すると簡単なことが出来なくなり、間違えてしまうことや、忘れてしまうことが多くなってしまいます。せかさないこと、間違っても責めないことが重要になってくると思われます。 その方によって症状や対応方法などは変わってくると思いますが、皆様方の一助になれば幸いです。      

 

作業療法士 中沢 宏彰

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