在宅では、ベッドで横になっている時聞が長い方にとっては、排世をするためにトイレに起きることは大切な運動となります。どのようにトイレ動作を行うか、どこまで自分で出来るかをしっかり把握することが大切になってきます。
トイレ動作や移乗のしやすさ、介護者の動きやすさに影響します。トイレのドアは引き戸や外開きの開き戸が、動作をおこないやすくしてくれます。車いすで入る場合は最低でも、90cm以上の横幅が必要です。家のトイレの幅や広さを確認してみてください。
車いすを便器へ近づけます。
移る前にブレーキを掛け、足台から足をおろします。ブレーキの掛け忘れや足台からの足のおろし忘れは転倒の原因となるため、気をつけましょう。
手すりをつかみ立ち上がります。
お辞儀をするように立ち上がると動作が楽になります。
足を踏みかえながら体を回転し、方向転換をします。
片麻痺の方の場合は便座に腰かけた際に、非麻痺側に手すりを設置しましょう。
ズボンと下着を、おしりが完全に出るところまで下ろします。
ズボンを下ろす際は、壁に寄り掛かったり、いつでも手すりを持てるように配慮しましょう。また、両足を肩幅程度に聞き、しっかりと立っていられる状態でおこないましょう。
手すりにつかまりながら、ゆっくり腰を掛け、ズボンと下着を膝のあたりまで下ろします。
用が済んだら後始末をします。
片麻痺の方は、ペーパーホルダーの上におもり(200g 程度)をのせるか、片手用のペーパーホルダーを使用するとトイレットペーパーが取りやすくなります。
用を済ませたら、手すりをつかみ立ち上がり、ズボンと下着を履きます。
立つ前に膝のあたりまでズボンと下着を上げておくと、立ち上がった際に履く動作が楽になります。
足を踏みかえながら体を回転します。
この時、麻痺側方向への移動となるため、気をつけながら行いましょう。車いすの位置をしっかり確認し座ります。
以上が、トイレ動作の一連の流れとなります。
今回紹介した方法は一例です。その方の状態や環境によって方法や手段は変わってきます。
まずはご自身がどこまでできるのか、介助が必要なのかを把握することが大切になります。
作業療法士 中沢宏彰