〜 2月18日 リハビリ科『ST とは』〜

 

 そもそも“ST”という職種について、耳にした事のある方は少ないのではないでしょうか。STとは、日本語で“言語聴覚士”というリハビリテーションに携わる職種のことを指します。その名前の通り、言語に関するリハビリを担当します。

 具体的な内容として、脳卒中になると、言葉が話しづらくなったり、言葉の理解が難しくなる「失語症(しつごしょう)」という症状が現れる場合があります。

 言語に関してもうひとつ、「構音障害(こうおんしょうがい)」という症状があります。構音障害とは、話すのに必要な口の筋肉が麻痺して、うまく言葉を発音できない症状です。このような患者様に対する上手なコミュニケーションの取り方や、 反対に望ましくない対応など例を挙げて説明しました。

 また、脳卒中の症状として言語とは別に、「嚥下機能障害(えんげきのうしょうがい)」という症状があります。嚥下というのは飲み込みの事で、水や食べ物を飲み込む力が低下して、むせ込んでしまう症状です。この症状が重度の場合、肺炎を引き起こ す危険性があります。この嚥下機能障害の患者様に対する、食事介助のポイントなどを紹介しました。

 今回のような勉強会を通して、多職種での相互理解を図り、より良い医療を提供する事で、患者 様や地域に貢献していければと考えています。

 今後、失語症や嚥下機能障害についてのご質問などあれば、ST(言語聴覚士)までお問い合わせください。

 

ST(言語聴覚士)安達皓美

〜 2月23日 褥瘡委員会『症例報告』〜

 

 患部写真とともに、処置方法や経過報告を行いました。“褥瘡(じょくそう)”とは、あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、寝たきりなどによって、体重で圧迫されている場所の血流が悪くなったり 滞ることで、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、傷ができてしまうことです。一般的には“床ずれ”ともいわれます。

 私達は、無意識に寝返りをうったり、長時間椅子に腰掛けているときは座りなおしたり、長い時間同じ場所に圧迫が加わらないようにしています。ですが、ご自分でそれができない方は、長時間体重で圧迫された皮膚に血流が滞ることで、酸素や栄養が行き渡らなくなり褥瘡ができます。

 ご自分で身体の向きを変えられない、栄養状態が悪い、皮膚が弱い(高齢者、排泄物や多汗で皮膚にふやけがある、むくみが強い、薬の副作用で免疫力が低い)など、圧迫だけでなく摩擦やずれなどの刺激が繰り返されている場合は褥瘡が発生しやすいです。褥瘡は、骨が突き出した場所(仙骨部、尾骨、腸骨、踵など)は、強い圧迫を受けやすいため、褥瘡が発生しやすくなります。

 褥瘡を予防するには、適宜身体の向きを変える、 床上でかかる体重の圧を調整するマットレス「体圧分散用具」を使用する、栄養状態を整える、排泄物によるふやけや骨が突き出した場所の保護をするスキンケアを行います。

 それでも褥瘡ができてしまった場合は、軟膏などの塗り薬や、創傷被覆材、手術など状態によって様々な方法があります。 褥瘡かな?と思ったら、主治医や看護師などに相談してみてください。


皮膚・排泄ケア認定看護師  溝上知勢子

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