口腔ケアは命を守る!

 被害が膨大な災害時には、まず最初に食料や水、毛布などの必需品が求められます。「一日や二日、歯を磨かなくても大丈夫」と思われがちですが、「気持ちが悪い」というような気分的なこと以外に、お口を衛生的に保つことには、重要な意味があります。 災害当日から数日たち、何も持ち出しせず避難された方達の欲しい物の一つに「歯ブラシ」という声がありました。避難所 では、歯ブラシがないだけではなく、水が十分になく、歯・口・義歯の清掃がおろそかになりがちです。

 避難所では、すぐに食べられるようなパンやおにぎり、カップラーメ ンなどの食事がしばらく続くことが 考えられるため、栄養も偏りやすく、毎また精神的なストレスなども重なり、抵抗力も落ちてしまいます。

口の中を不潔にしていると細菌が増え、虫歯、歯周病、口臭などが生じやすくなり、また感染症にもかかりやすくなります。特に高齢者は、免疫力が落ち口腔内の細菌を気管へ、誤嚥(ごえん)することで、誤嚥性肺炎を引きおこす危険があり、震災後に誤嚥 性肺炎で亡くなった方もおります。


次回は、災害時の口腔ケアの 方法をお伝えします。

 

歯科衛生士 丸山みどり


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